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「適正な電力取引についての指針」の改定に関する建議について
本件の概要
本日、電力・ガス取引監視等委員会は、発電関連情報の公開に関して「適正な電力取引についての指針」を改定することにつき、経済産業大臣に建議いたしましたので、お知らせいたします。
1.概要
令和2年度冬期のスポット市場価格の高騰等を踏まえ卸電力市場の透明性の一層の向上を図るため、発電に関する情報公開及び相場操縦行為の明確化の重要性が指摘されたことに基づき、令和4年7月22日の第377回電力・ガス取引監視等委員会において審議を行いました。その結果、本指針において発電実績の公開及び旧一般電気事業者によるスポット市場における自主的取組について以下の通り位置付けるため、本指針を改定することについて、電気事業法第66条の14第1項の規定に基づき、本日、経済産業大臣に建議いたしました。
- 発電事業者等は、認可出力10万kW以上の発電ユニットについて、合理的な理由があると認められる場合を除き、一般送配電事業者及び広域機関が構築・運用していくシステムを通じて発電実績をユニット毎・コマ毎に実需給後5日以内に公開されるようにすることが望ましい旨を追記する。
- スポット市場における売り札に関し以下の内容を追記する。
- 卸電力市場に対する信頼を確保する観点から、スポット市場において売り札を入れる事業者は、余剰電力の全量を限界費用に基づく価格で入札することが望ましい旨。
- スポット市場においてこのような行動をしている限りにおいて、相場操縦である「市場相場を変動させることを目的として市場相場に重大な影響をもたらす取引を実行すること又は実行しないこと」に該当しないものとする旨。
- 市場支配力を有する可能性の高い事業者においては余剰電力の全量を限界費用に基づく価格で入札することが特に強く求められ、当該事業者が合理的な理由なく限界費用に基づく価格よりも高い価格で市場に供出した場合や余剰電力の全量を市場に供出しなかった場合においては、相場操縦行為である「市場相場を変動させることを目的として市場相場に重大な影響をもたらす取引を実行すること又は実行しないこと」に該当することをより強く推認させる一要素となる旨。
- 上記でいう余剰電力の全量とは、スポット市場への入札時点において算定される各コマの自社供給力から、自社想定需要(自社小売需要と他社への相対契約に基づく供給量等の合計)・予備力・入札制約をそれぞれ差し引いた残りの供給力のことをいう旨。
- 上記でいう限界費用とは、電力を1kWh追加的に発電する際に必要となる費用をいう旨、燃料費について卸電力市場への入札によって燃料が消費されることで将来的な需要に対応するために追加的な燃料調達を行う必要が生じるときであって当該価格・量での燃料の追加的な調達が合理的であると客観的に確認可能な場合には燃料の追加的な調達費用を考慮し得る旨、及び、限界費用の考え方について、燃料制約の発生時においては、非両立性の関係が成立することを前提とし、当該価格・量の妥当性が客観的に確認可能な場合には、将来における電力取引の価格を機会費用として考慮し得る旨。
- 上記でいう市場支配力を有する可能性の高い事業者とは、分断発生率が継続して高い連系線により区分した市場において、発電容量(長期かつ固定的な相対契約により確保している発電容量を含む。)を基準として、市場シェア20パーセントを超える、又は、主要な供給者(Pivotal Supplier:需要を満たすために当該供給者が保有する供給力が不可欠とされる供給者)と判定される電気事業者(当分の間、過去5年間で地域間連系線分断率が一度でも一定の値を超える月があるか否かを基準として画定した市場において市場シェア50パーセントを超える発電容量を保有する電気事業者を含む)のことをいう旨。
2.添付資料
担当
経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会事務局
取引制度企画室長 東
担当者:住田、風間、竹内、浮ヶ谷
電話:03-3501-1552(直通)
公表日
2022年7月22日
最終更新日:2022年7月22日