電力・ガス取引監視等委員会
文字サイズ変更

旧一般電気事業者各社から、先般の要請を踏まえて、社内外無差別な電力卸売を行うこと等のコミットメントがありました

1.概要

(1)背景
 電源の大半を保有する旧一般電気事業者が、電力の卸売において、社外・グループ外の小売電気事業者と比して、自社の小売部門にのみ有利な条件で卸売を行うことにより、その結果として、旧一般電気事業者の小売部門による不当な廉売行為等、小売市場における適正な競争を歪曲する行為が生じることへの懸念が指摘されています(不当な内部補助)。
こうした不当な内部補助を防止するため、令和2年7月1日、旧一般電気事業者各社に対し、以下の要請を行いました。
●旧一般電気事業者各社に対し、以下のコミットメントを要請する。
 ①中長期的な観点を含め、発電から得られる利潤を最大化するという考え方に基づき、社内外・グループ内外の取引条件を合理的に判断し、内外無差別に電力卸売を行うこと
 ②小売について、社内(グループ内)取引価格や非化石証書の購入分をコストとして適切に認識した上で小売取引の条件や価格を設定し、営業活動等を行うこと
●併せて、上記①、②を確実に実施するための具体的な方策について、当委員会への報告を求める。

(2)各社からの回答
●上記の要請を受けて、全ての旧一般電気事業者が、上記①・②について、コミットメントを行うこと、を表明しました。
●また、上記①②を確実に実施するための具体的な方策について、発電部門・販売部門が一体となっている8社は、2021年度の運用開始に向けて、社内取引価格の設定や業務プロセスの整備に着手する、と回答しました。

(3)今後の対応
今後も、小売市場の重点的な監視を行う「小売市場重点モニタリング」を通じ、上記①、②のコミットメントの実施状況の確認を行う等の対応を実施してまいります。

<参考>不当な内部補助に関する指摘

(1)電気の経過措置料金に関する議論
 電気の経過措置料金の解除基準等について議論した「電気の経過措置料金に関する専門会合」(2019年4月とりまとめ)において、旧一般電気事業者の小売部門と新電力間の電源アクセスの公平性確保に関する懸念、すなわち、旧一般電気事業者の発電部門が自社小売部門への不当な内部補助を行い、その結果として、小売市場における競争歪曲行為が生じる懸念が指摘されている。

(2)非FIT非化石証書に関する議論
 今年度から取引が開始される非FIT非化石証書(注)について、非FIT非化石電源(大型水力、原子力等)の大半を保有する旧一般電気事業者の発電部門が非化石証書の販売収入を原資として、自社小売部門への不当な内部補助を行い、その結果として、小売市場における競争歪曲行為が生じる懸念が指摘されている。

(注)非化石証書とは、非化石電源(CO2を排出しない電源)で発電された電気の非化石価値を証書化し取引の対象としたものです。非化石電源にはFIT電源とそれ以外の電源(非FIT電源)がありますが、FIT電源由来の非化石証書は先行して2018年より非化石価値取引市場で取引が行われており、残る非FIT電源由来の非化石証書も今年度の同市場での取引の開始に向けて資源エネルギー庁において検討が進められています。

2.添付資料

担当

経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会事務局
  取引制度企画室長 黒田
 担当者:住田、川原、三浦
 電話:03-3501-1552(直通)

公表日

令和2年9月9日

最終更新日:2020年9月9日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.