電力・ガス取引監視等委員会
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電気の経過措置料金に関する意見聴取について意見を回答しました

本件の概要

電力・ガス取引監視等委員会は、経済産業大臣から意見を求められた電気の経過措置料金の撤廃及び存続判断に関する指定等基準と各地域における競争評価等について検討を行い、本日、経済産業大臣に意見を回答しましたのでお知らせします。

1.概要

 平成28年4月の小売全面自由化に際しては、「規制なき独占」に陥ることを防ぐため、低圧需要家向けの小売規制料金について経過措置を講じ、平成32年3月末までは、全国すべての地域において、従来と同様の規制料金(経過措置料金)が存続することとなっています。
 本経過措置は、平成32年3月末をもって撤廃され、同年4月以降は、「電気の使用者の利益を保護する必要性が特に高いと認められるものとして経済産業大臣が指定する」供給区域のみ、経過措置料金が存続することとなります。
 平成31年4月以降、大臣指定(又は解除)の判断、決定を行うことが法律上可能となることから、この点に関し、平成30年9月13日付20180913資第4号により、以下の事項について、経済産業大臣から当委員会に意見の求めがありました(参考1)。

(経済産業大臣から意見照会を受けた検討事項)

  • 電気事業法等の一部を改正する等の法律(平成27年法律第47号)第12条の規定による改正後の電気事業法等の一部を改正する法律(平成26年法律第72号)附則第16条第1項及び第2項に規定する指定旧供給区域の指定及び指定解除に係る基準
  • 当該基準に照らした各供給区域における競争状況の評価(必要に応じて、競争を促進するための方策の提案を含む。)
  • 実効的な事後監視の仕組みその他必要と考えられる事項

 これらを受け、電力・ガス取引監視等委員会の下に設置された電気の経過措置料金に関する専門会合(座長:泉水文雄神戸大学大学院法学研究科教授)において、昨年9月から9回にわたって専門的観点から調査・審議を行い、その結果をとりまとめました(参考2)。その内容を踏まえ、本日、電力・ガス取引監視等委員会は添付資料①のとおり、経済産業大臣に意見を回答しました。

回答の主な内容は以下のとおりです。

指定旧供給区域の指定及び指定解除に係る基準

判断に当たっては、以下の3つの考慮要素の状況を総合判断したうえで、供給区域内の電気の使用者の利益を保護する必要性が特に高いと認められる場合は指定する(解除しない)こととする。

(1)消費者等の状況
(2)競争者による競争圧力
(3)競争環境の持続性

当該基準に照らした各供給区域における競争状況の評価

  • すべての供給区域において、平成32年4月の時点においては、経過措置料金を存続させることが適当と考えられる。
    Ÿ
    •  東京電力エナジーパートナー及び関西電力の供給区域においては、
      (1) 消費者等の状況については一定の充足が認められるものの、
      (2) 競争者による競争圧力については、有力で独立した小売電気事業者が複数存在するとは認められず、現時点での競争圧力は不十分であり、
      (3) 競争環境の持続性についても、みなし小売電気事業者と新電力の間での電気調達に係る公平性についての懸念が存在。Ÿ
    • その他の供給区域においては、
      (1) 消費者等の状況については一定の充足が認められるものの、東京電力エナジーパートナー及び関西電力区域と比較するとまだ十分とは認められず、
      (2) 競争者による競争圧力についても、有力で独立した小売電気事業者が見当たらず、現時点の競争圧力は不十分であり、
      (3) 競争環境の持続性についても、みなし小売電気事業者と新電力の間での電気調達に係る公平性についての懸念が存在。

実効的な事後監視の仕組みその他必要と考えられる事項

  • 電気の使用者に不測の損害が生じることを防止する観点から、経過措置料金の撤廃後においても、当面3年間程度、地位濫用行為の有無について特に積極的に監視する必要がある。
  • 小売市場における新規参入を促し、競争を活性化させるためには、卸市場の活性化が不可欠であり、新規参入者の電源調達環境を改善していくため、みなし小売電気事業者の社内及びグループ内における小売市場の競争を歪めるおそれがある不当な内部補助を防止するための方策がより一層、具体的に検討されることが必要であるのみならず、その他の競争促進策について引き続き推進していく必要がある。
  • 小売市場における競争を活性化する観点から、電気の使用者がスイッチング先を円滑に選択できるための環境整備が有益である。こうした観点から、例えば、価格比較サイトの充実などを含め、実効的な競争基盤の整備に向けた検討を引き続き行っていく必要がある。 等

2.添付資料

3.参考資料

担当

経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会事務局
    取引制度企画室長 木尾
 担当者:高木 川原 部坂
 電話:03-3501-1511(内線4381)
    03-3501-1552(直通)

公表日

平成31年4月24日

最終更新日:2019年4月24日
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