制度設計専門会合(第1回)‐議事要旨
日時
平成27年10月9日(金曜日)15時00分~18時00分
出席者
稲垣座長、林委員、圓尾委員、安藤委員、岩船委員、新川委員、辰巳委員、松村委員
- オブザーバー等
- 児玉SBパワー株式会社取締役COO、谷口株式会社エネット取締役、野田関西電力株式会社執行役員、瀧本中国電力株式会社執行役員、前田中部電力株式会社執行役員、石井東京ガス株式会社執行役員、大石日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会理事、河野全国消費者団体連絡会事務局長、金子消費者庁消費者調査課長、井堀公正取引委員会調整課課長補佐、小川資源エネルギー庁電力市場整備室長
主な意見
①卸電力市場における不公正取引について
- これまでの制度設計ワーキング(以下「制度設計WG」と省略)では「適切な電力取引についての指針」についてあまり議論されてこなかった。本指針については、どこが所管しており、電力取引監視等委員会との関係はどのようになっているのか。
- →本指針については、平成11年より公正取引委員会と経済産業省が連名で公表しており、電気事業法と独占禁止法上、問題となる行為と望ましい行為を整理し、連携しながら対応している。(事務局)
- →電力取引監視等委員会は市場に関するルールを整備することも行い、経済産業大臣に建議することができるため、ガイドラインについても、この場で御議論いただきたいと考えている。(事務局)
- 不公正取引として、相場操縦規制やインサイダー規制を取り上げているが、このような行為を含め我が国においても問題とすべきものについてはしっかり対応を進めて欲しい。
- 資料25ページにある公開すべき情報の範囲については議論が必要。EUでは10万kW以上の発電所に係る情報を公開する義務が課されているとのこと。例えば、日本の市場規模等を踏まえると、どれくらいの規模が適切かといった点から検討するという方法もあるのではないか。
- インサイダー情報の公表時期について、災害などの緊急時に柔軟に対応できるように例外規定を設けるとともに、例外規定が適用された場合にはその正当性について委員会でしっかりと検証を行うことが必要。
- →公開対象となる発電所の規模と時期については、御指摘を踏まえて、今後検討したい(事務局)
- 卸電力市場における不公正取引ルールの検討を行うことも重要だが、それ以外にも卸電力市場の活性化策として議論が必要となる議題は多数存在。今回の議論はそれらを代替するものではなく、当然だと思うが、不公正取引ルールの整備以外にも卸電力市場の活性化策を検討するとの理解で問題ないか。
- 資料4ページに記載のある「常時バックアップにおける不当な料金設定」については、低圧向けの託送料金が確定した段階で、販売価格から託送料金を引いた金額が常時バックアップ料金として提示されると理解。また、夜間のオール電化料金から託送料金を引いた金額がコストの上限となっているかについて監視していくことも必要。
- 取引価格を上昇させる目的で取引量を制限する行為も相場操縦に該当すると理解。大規模な発電容量を保持しながらも歯抜け約定が生じるため入札ができないなどとする電力会社の行為については、今後しっかりと監視が必要。
- 情報開示の対象を、大規模な設備に限定すると、その規制を逃れるために設備を小型化するなどの弊害が生じる可能性がある。情報開示の対象を検討する際には、原則としてすべての発電所を対象としつつ、事業者にとって過度の負担となるのを防止するため一定の制限を設けることとすべき。また、例えば、10万kwを基準とした規制を設けた後、9万kWの発電設備が増えるようであれば、実態に即して柔軟にルール変更を行えばいい。
- →1点目の御指摘はそのとおり。その他の点については、御指摘を踏まえて、今後検討していきたい。(事務局)
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資料25ページについて、卸電力市場の活性化は、小売市場の活性化のために不可欠であり、卸電力市場を成熟させるためには、相場操縦やインサイダー取引などの規制が必要。今後しっかりとルール整備を進めて欲しい。
ただし、ルールに実効性を持たせるためには、業務改善命令等のサンクションが重要となる。実際、株式市場で規制に実効性があるのはサンクションが存在している点が大きい。
また、実効性を担保するためには、問題行為を調査するための権限も必要。調査権限を保持した上で、取引情報等の収集を進める必要がある。 - 新規参入者にとって卸電力市場の流動性が不可欠であるが、現状ではまだ十分ではない。インサイダー情報の公開について事務局から提案が行われたが、現状では新電力と一般電気事業者との間に情報の非対称性が存在している。このような観点からも、今後、主要な発電所、連係線の運用状況について、広域機関がタイムリーに情報公開すべきことをガイドラインに盛り込んで欲しい。
- 情報公開ルールの適用対象については、一部の事業者だけが対象にならないよう配慮いただきたい。
- 発電所事故等が生じた場合に、速やかに情報を開示すべきという点は理解するが、あまり硬直的になると安定供給に支障をきたす可能性がある。系統全体への影響なども考慮して、情報の公開時期、公開対象、例外ルールの検討を進めて欲しい。
- 全体としては資料のとおりに検討を進めていただければ問題ない。ただし、以下の2点については今後更なる検討が必要。
資料13ページではインサイダー情報の定義として「正確な情報」との記載があるが、電力取引におけるインサイダー情報をどのように定義するかは考えないといけない。株式の場合には、発電所の停止が確実でなくとも推定できる情報を取得した段階でインサイダー情報になり、公表せず価格が安い間に購入することは問題となりうる。
また、情報の速やかな公開は重要であるが、事業者の過度な負担を防止すべく、商品の性質によって対応方針を変えてもいいのではないか。 - 公表ルールの整備に際しては、発電所の事故等の場合には、事故後どの程度で公表を求めるかが重要。他方、定期点検などの場合には、どれくらい前に公表させるかが問題になる。事故の公表と事前の公表をしっかり分けて検討する必要がある。
②小売営業に関する論点
- 資料3ページで示されたガイドラインの改正は待ったなしの状況にあると認識。実際、1月から消費者の申し込みを開始する場合には、各社において既に準備を始めていることを認識していただきたい。
- 電源構成開示義務について、消費者がどの情報の開示を希望しているのか正確に理解する必要がある。電源構成を開示すること自体は良いことだが、事業者側のコストや手間も考慮していただきたい。事業者の中には、電源構成の開示を営業戦略としている場合も存在するため、開示の有無は各事業者の判断に任せてはどうか。
- 小売営業のビジネスモデルについて、許容されるモデルと、許容されないモデルが示されたことは評価したい。ただし、これらの説明は法律用語に即して解説されているため、今後ガイドラインを整備する際にはもう少し平易な表現で事例も交えながら示していただきたい。
- 資料25ページの許容されないビジネスモデルについて、ここに記載されているのは高圧以上の扱いということで間違いないか事務局の見解を確認したい。また、資料30ページの営業活動については、提示された案のとおりで良いと思う。
- 電力自由化ついて国民の認知度が上がっていない。事務局には国民への周知をお願いしたい。
- ガイドラインの作成は重要であるが、委員会にはその監視についても徹底的に実行していただきたい。
- 電源構成開示義務について、義務化は必要ないと考える。
義務化したところでどこまで実効性が担保されるか疑問であり、市場に流通する電力のすべての電源構成を把握することは事務的負担が大きい。資料中には、義務化について食品等の例も示されていたが、開示義務が課されているのは製品自体に質的な差が存在するものに限定されている。電気については品質がすべて同じであり、開示コストも大きく、電源構成は興味のない人にとっては不要な情報であるため、開示の有無は企業の自主判断に委ねるべきである。ただし、企業が自主的に電源構成を開示する際の表示の仕方については、ルール整備を行う必要がある。 - セット販売の内訳については、それにより電気料金が下がり消費者の利益になるのであれば義務化までは必要ないと考えている。
- 資料の中で「望ましい行為」、「問題のある行為」という単語の使われ方をしているが、問題のある行為については取締り等を含めてしっかりとした対応が必要。
- 比較サイトついては、既に存在するサイトへの介入・監視が必要ではないか。
- 電源構成開示義務については、絶対必要だと考えている。電源構成は電気という商品の基本情報であり、一部の事業者が特別な価値のある電源構成を開示するということではいけない。電源構成開示は、すべての消費者が電気を購入する際の基礎情報として必要であると考えている。なお、電源構成開示は消費者の将来の電源構成の選択に関することであり、電源構成に関する表示がなければ価格だけで電気を選択することにつながる。
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電源構成開示義務のポイントは、電気の品質自体に差がないという点であり、資料16ページに記載があるとおり、食品表示法でさえも栄養成分等の表示が望ましいとされていないことを踏まえて議論する必要がある。
むしろやるべきことは、消費者が、望ましい電源構成を採用する企業から電気を購入することで、市場において事業者が自ら進んで電源構成を開示する流れを作っていくことであり、電源構成についてあらかじめ規制を課すべきではない。 - 資料7ページに説明があるように、事業者が料金請求の根拠となる使用電力量等を使用者へ示さないことは問題のある行為とする事務局案に賛成する。
- 電源構成開示義務は不要と考えるが、事務局の資料に対しては若干不満がある。資料9ページについて、電気に色がないというのはそのとおりだが、「擬制」という言葉は不適切。例えば、市場にA電力とB電力のみが存在し、A社がLNG100%、B社が石炭100%で電気を生成した場合、消費者がA社からしか電気を購入しなければ市場の電気はLNG100%となる。このように消費者は電気をしっかりと選択できる。事務局資料では、消費者が電力を選択することの意義が正しく伝わらないのではないか。
- 電源構成開示については、自主的な開示で足りるが、消費者の誤解を招かないように、電源構成を開示する場合のルール整備は必要。
- 携帯の長期契約の解約のような問題は電力の場合にも発生しうる。電気は長期契約の必要性は低いが、電力の自由化に紛れて長期契約を締結するような事態となってはならない。事務局がしっかりと監視を行うとともに、契約期間の上限を設けるのも一案。
- 電源構成開示義務については、義務化するべきと主張される方々の理由は、消費者保護上必要ということではなく、消費者に電源構成を考えてもらういい機会だから、ということが確認できた。そうであれば義務化は不要と考えている。事業者の創意工夫をなるべく引き出すことを目的としている中、必要のない義務は徹底的に排除し、必要な消費者保護をしっかりと行うことがシステム改革の趣旨に合致すると考えている。
- セット販売時の表示は、事業者に任せていいのではないかと思うが、通信の世界でトラブルが起きているという話は気になっている。推察するに契約の中身をきちんと説明していないことによるトラブルかと思われるが、どういうトラブルが生じているのか調べてほしい。
- 自由化に関する国民の理解が進んでいないことは同意見。事務局には周知活動にも力を入れて欲しい。
- 電源構成開示義務については、義務という形で規制を課す必要性・妥当性があるのか疑問。電源構成を自社の売りにする事業者の自主的判断に委ねても良いのではないか。
- 実務的な観点から申し上げると、電源構成の仕分けは厳密には困難。仮に電源構成開示義務を設けるとしても、他社から電源を購入する場合には、開示の精度に対して一定の割り切りが必要であると考える。
- 低圧需要家への販売メニューの表示については、新規参入者は供給力の確保が限定的であり、現状では誰にでも電力を販売できるわけではない点への配慮が必要。実際、提携先ごとに販売料金メニューが異なる場合もあり、モデルケースにおける価格の提示を代替措置として認めるなど柔軟な対応をお願いしたい。
- ある事業者は5年契約で解約を制約する事例もあると聞く。先行事例も参考にしつつ、問題ある行為としてほしい。
- 停電に関する問い合わせについては、必要な停電情報が送配電事業者から小売事業者に対して適切に提供されることが重要だが、これまで必ずしも適切に情報提供されてきたとはいえない。送配電部門からのタイムリーな情報提供やスマートメーターの活用による停電箇所の切分けなどの対応が必要ではないか。
- 電源構成開示の義務化については社会的コストが大きい。小さな事業者にとっては参入障壁になりうるものであり、義務化には反対。
- ビジネスモデルについては、取次ぎについて理解が十分できていないので、またどこかの機会に教えてほしい。個人的には、取次ぎの場合、契約責任の対象は、取次業者のみとなる気がするが、小売電気事業者はどのような義務を負担するのか。消費者が小売電気事業者に対しても法的に何らかのクレームを出せるのかという点が重要。
- 消費者との契約については、一旦契約が成立すると、裁判で契約を無効にすることは難しい。そのため、事前に望ましい契約形態について指針を示すことも重要ではないか。
- ガイドライン改正に関して、事務局では電力の地理的市場をどのように捉えているのか。連系線等の制約が生じることで地域単位の市場となる点なども踏まえて、考え方を教えて欲しい。
- 電源構成開示義務は、現時点では不要と考える。消費者は多様であり、電源構成を知りたい人、労働者の環境を知りたい人など多種多様であるため、開示については、企業の自主的取組に委ねるべき。
- 電源構成の開示には事務的コストがかかると主張する事業者が存在するが、実際どれくらいコストが発生するのか。例えば、イギリスではどの程度費用の増加が発生し、利用者の負担増加になっているのか。その結論次第では、電源構成の開示を義務化すること自体が消費者保護にならない可能性がある。
- 引止策・違約金については、ベース料金を高くしておいて、継続の場合は割引くという形態をとると実質的な引止めとなる。これらの点についても今後議論が必要。
- 電源構成の開示はコストだとされているが、小売電気事業者は広域機関に供給実績を報告していると思う。それを活用して電源構成を開示することは可能ではないか。また、自主的に電源構成を開示すれば足りるとするが、すべての事業者が電源構成を開示している場合には消費者は選択できるが、一部の事業者のみの開示では選択肢が狭くなってしまう点を忘れてはならない。
- 電源の概念について、小売電気事業者を選択するためのものという点でコンセンサスがとれたことは前進。また、開示により、消費者が実現したいものにも価値があるという指摘は非常に深いものを含んでいた。本日の指摘を踏まえて、事務局は検討を進めて欲しい。
③今後の託送料金制度の在り方
- 現在の送配電系統は、需要地で消費される電気の階層が上位から下位に流れる実態を踏まえ、効率良く電気を届けるシステムを構築し、運用している。系統利用の面では、アンシラリーサービスも含めて需要地で利用される電気の品質を送配電系統全体で維持している。電気の流れは下位系になるほど日々変化しており、加えて、特定の電源から特定の需要への電気の流れを物理的に特定することは困難。設備形成の面では、系統の構築には長いもので10年程度要するものもあり、需要や発電について中長期的な想定のもとで効率的な設備となるよう努めてきた。
- 送配電系統の建設や撤去は容易に行うことはできない。状況変化に応じて適宜計画の見直しを行いながら、将来を見据えた設備形成を行う視点が重要。コジェネや再エネなどの分散型電源の普及拡大、電力需要の先行き、広域的な電力融通といった状況変化に対応することが求められる。託送料金制度の検討に当たっては、送配電系統の実態、状況変化、システム改革の目的なども踏まえ、安定供給の確保、広域的な電気の利用、国民負担の抑制、負担と受益の関係などの観点から全体を俯瞰して検討していくことが重要。
- 託送料金は電気代に乗るものであり、送配電事業者にとっては非常に大切な、これからの日本の送配電ネットワークの背骨をどう作り、それを託送料金でどのように回収していくかという話。すべてのネットワーク利用者にとっての公平性、広域的に望ましい設備形成の実現という観点から、日本の送配電ネットワークのことをどこまで考えているのか。例えば、東京ガスの例では、資料6-2のP7の設備の利用実績に応じた潮流改善効果で、「基幹系統を使用しない場合」等とあるが、必ず上位の大規模ネットワークから調整力が入っているはず。設備の利用、潮流の話だけでなく、皆様の負担で成り立つ送配電ネットワークがあるからこれができるという視点で考えるということが必要。
- 送配電ロスに貢献しているという話は、ある程度理解できる。背骨の送配電ネットワークを構築する上で貢献する部分があり、腑に落ちる。
- ネットワーク利用者全体の負担の託送料金で費用回収する送配電のネットワークに対して、どういう託送制度なら負担してもらってよいかもう少し考えてはどうか。送配電ネットワークの中立な託送料金を皆様に平等に負担していただかなければならず、一部の事業者のメリットとしてではなく、ネットワーク利用者全体のメリット等を今後また議論していきたい。
- 本日のプレゼンテーションは、分散電源サイドからの話という印象。全体最適の観点から考えると、送配電設備がある以上、誰かが必ず負担しなければならず、それをどう重み付けをするかというだけの話。
- 潮流改善は本来物理量であり、もっと定量的に議論ができないか。例えば、分散電源を置いた場合の経済効果の試算がなければ、観念的な絵だけで議論するのは難しいのではないか。そういう意味では割引対象地域についても市区町村単位と物理量は全く関係なく問題点もあると思う。これから広域的な運営をしていくのであれば、送電ネットワーク上の供給サイド、需要サイドからみた地点別の限界費用を計算して、議論すべきである。
- 東京ガスの資料P7に関して、低圧につながった電源をアグリゲートして販売する場合、低圧のバンク内に収まることはなく、そうなれば当然高圧も使う。そういった場合分けを考えることが意味のあることなのか。減らした託送料金は誰かが負担することになる。全体最適の観点から議論すべき。
- →事業者においては、実証的かつ、誰もが分かる説明をお願いしたい。(稲垣座長)
- 調整力は上位系統からきているため、その負担は免れないという指摘はおっしゃるとおり。調整力はアンシラリーサービスとして上位系統からきている。実流量に関しては、低圧部分しか使っていないことによる流量の削減効果があるということを申し上げた。上位系統からきている調整力部分は、アンシラリーサービスのような費用負担で、全体の負担を使っているところは負うべきという考え方には賛同。
- 物理的な地点別の具体的な数字をもって議論すべきという指摘について、そういう検討もしたいが、必ずしもネットワークの地点別コストが開示されていないため、今後、定量的評価ができるインフラ作りをお願いしたい。
- アグリゲートして高圧のお客様に売っている場合、高圧も使っているのではないかとの指摘について、大前提として、実流量がどこで消費されているかという視点で今回この制度を考えるべきという立場に立っている。実際にアグリゲートされた売り先が工場だったとしても、実潮流としては、隣家に流れているということであれば、契約と切り離して、実流量でその負担を考えている。
- 全体最適や公平性に関する御指摘はそのとおりだが、その前提でネットワークを限定的に使用する場合は、その費用負担を軽減させるような仕組みが必要。
- 当面の議論ではなく、長期的な話。需要地近接性割引や託送料金の割引だけに議論を集中するのではなく、託送料金の体系全体の話をするのが本来の姿。託送料金のみならず、送電線の利用ルールなどとも直結するし、あるいは現在小売が払っている託送料金を発電と小売に分けるとか、そのような大きな話と理解。全体の設計の中で何か重要か考える必要がある。
- 分散型電源の導入促進とあるが、全体最適の観点からは、これまで分散型電源が不利だったものを、分散型電源の導入が効率的なのであれば、フェアな料金体系にしてくれというのが本来のアピールと理解。
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東京ガスの資料において、上位系統を使用していない、との記載はミスリーディング。分散型電源は相対的に上位系統への負担が少ないので、遠隔地の大電源から需要地にもってくることを前提に作られた託送料金の体系では不利だという問題意識なのだろうと思う。上位のコストを一切負担しないことが正しくないことは間違い無いが、今までのように一般電気事業者のビジネスモデルに有利な料金体系をこのまま維持しなければならないのか、という視点で考えていく必要はある。実際に、大規模電源から需要地に下ろしてくるビジネスモデルが主流の中、わずかな量の分散型電源が入れば、明らかに潮流改善効果が出てくる。この点が適切に評価される託送料金の体系を抜本的に見直して作っていかなければならない。近接性割引は同じ域内の潮流改善だけだが、連系線をまたぐ取引や、連系線を含めた基幹送電線の利用ルールなどを抜本的に見直さなければならない。
以上
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電力・ガス取引監視等委員会 事務局 総務課
最終更新日:2016年4月1日