電気料金審査専門会合(第2回)‐議事要旨
日時
平成27年9月7日(月曜日)17時00分~19時30分
出席者
安念座長、圓尾委員、箕輪委員、秋池委員、梶川委員、辰巳委員、松村委員、南委員
- オブザーバー
- 全国消費者団体連絡会 河野事務局長
- 日本商工会議所 産業政策第2部 市川副部長
- 株式会社F-Power 沖取締役
- 消費者庁消費者調査課 金子課長
- 資源エネルギー庁電力市場整備室 小川室長
- 説明者
- 北海道電力株式会社 酒井代表取締役・副社長執行役員
- 東北電力株式会社 岡信代表取締役副社長
- 東京電力株式会社 山口代表執行役副社長
- 中部電力株式会社 増田代表取締役・副社長執行役員
- 関西電力株式会社 生駒代表取締役副社長
- 四国電力株式会社 新井代表取締役副社長
- 九州電力株式会社 吉迫代表取締役副社長
主な意見
- 営業・配電の業務区分が各社で異なっているが、現行の整理がそもそも異なっている。各社の特殊事情があれば提示してほしい。
- →組織毎に業務が明確に分かれている訳ではなく、一人が複数の業務を行っていることもある。NW部門への配分が若干大きくなっているのは停電対応等で移動距離が長いため。(北海道電力)
- 近接性評価割引について、細分化したことにより潮流改善にプラスに効いているのか。
- →地域を細かく見直し、需要密度の観点を追加した結果、潮流改善をより適切に評価出来る制度になった。対象地域から大幅に外れる山形県の地域については、これから丁寧な説明をしていきたい。(東北電力)
- →潮流改善効果を評価してきたので、効果のある制度と理解。もともと、当社はバランス良く電源が配置されていた。(中部電力)
- 割引対象地域について、どういうタイミングで、どういう形で見直すつもりなのか。
- →大規模電源が出来て潮流が変わった時には見直すのではないか。(中部電力)
- →個人的には同様のイメージを持っていたが、各社、資料での提出をお願いする。(安念座長)
- 営業・配電の業務区分についてほとんどが8項目だが、中部電力には「異動出向・調査」項目がなく、関西、九州には「その他(サポート)」項目がある。各社の項目の違い、業務内容の違いは何か。
- →「その他」項目は、営業所以外の、本店や支店などの上位部門を振り分けて記載している。(関西電力)
- →営業関連業務については今後細かくご説明していきたい。異動・出向管理については、必要な部分を仕分けして反映している。(中部電力)
- 営業・配電の振り分け方の再整理は各社の判断なのか。また、営業・配電区分の再整理の結果、北海道、中部、九州は申請原価が現行原価を上回っているのは何故か。
- →本会合で今後精査することとしたい。(安念座長)
- 事業報酬率の引き下げがなければ、全社値上げになっていた。この意味では、事業報酬率の考え方を見直したのは良かった。事業報酬率がこれだけ下がったにも関わらず、全体としてコストが上がっている3社(北海道、中部、九州)についてはきちんと審査しなければならない。九州電力は離島供給コストが多く計上されるのでやむを得ないが、他の2社の理由は納得できない。
- 北陸電力と沖縄電力はエスカレが入っていたが、今回の7社は過去の値上げ審査の時の総原価と同じということでよいか。
- →そのとおり。(7社)
- 近接性評価について、東京電力と関西電力の地域見直しについて納得がいかない。特に関西電力は新規参入を狙い撃ちしているのではないか。同じ市町村内で高い割引を受ける地域やその逆の地域があってもよいのではないか。
- →あくまで需要量と発電量のバランスをみて設定。従来と考え方は変わっていない。自社電源も同じで新電力を狙い撃ちしているわけではない。(関西電力)
- 調整力コストの見直しの中で部分負荷運転に伴う増分費用を計上している点に関し、揚水発電と揚水発電の持ち替えについて、分かりやすく説明してほしい。
- →部分負荷運転をしたと時に効率が落ちるため、効率が高いものを運用している。揚水発電についても同じで、時代が古いものもあるので、高効率な揚水発電に差し替えている。(東京電力)
- →揚水発電を複数台運転していることがあり、揚水発電同士の持ち替えが発生する。(関西電力)
- オール電化料金から託送料金を引いたものは、夜間帯の電源の可変費の上限になっているはず。電力会社が、この差額の料金水準以上の価格で入札していないか監視すべき。
- 近接性評価割引について、基幹系統を特別高圧の1/2にしている理由に納得していない。このようなざっくりしたやり方で料金を作ることが許されるなら、地産地消の固定費割引もざっくり1/2にするくらいの発想ができないのか。
- 離島ユニバーサルサービスについて、九州電力は突出してコストが高いが、これを九州電力の顧客が負担することがいいのか。ユニバーサルサービスと言いながら、これだけ地域差が生じるということであれば、地域で負担するのがいいのか、全国で負担するのがいいのか、今後の制度設計の課題となる。
- 近接性評価割引対象地域について、新規参入の電源が建設された段階で対象から外すことで、当該電源のコストが上がる。今回、割引対象から外れた地域は、こうした新規参入者の電源が入ったところになっているのではないか。大きな電源が出来たときに見直すとすれば、作った瞬間に外すということになると投資意欲を削ぐ。たとえば5年間など期間をおくべきではないか。
- 前回から託送料金が上がっている会社と下がっている会社があるが、どうしてそうなるのか精査していく必要がある。
- 今後、どの会社も電力料金の内訳(託送料金、託送割引等)を消費者に対して明示するつもりか。
- →高圧では既に請求書の中に託送料金相当額として示している。低圧についても、料金単価について情報提供を行う方向性で検討している。(東北電力)
- 発電機車の費用振替について、なぜ四国電力だけが言及したのか。
- →当社は、発電機車はもともと配電費として託送料金に計上されていた。(九州電力)
- 営業・送配電の業務区分について、契約受付と契約管理の状況が会社毎に大きく異なり、それが全体にも影響している状況。会社間で積み上げの状況や直課・配賦の仕方等を事務局の方で比較して欲しい。
- 需給が逼迫する時期は石炭はフル出力し、調整力として機能しないのではないか。調整力電源として石炭火力を入れることが適当なのか。
- →当社の石炭火力は調整力機能を有しているため、算定ルールに従ったもの。算定ルールを見直されるならば、対応する。(東京電力)
- 近接性評価割引について、東京電力の神奈川県で評価対象外となる地域については説明をして欲しい。
- →制度設計WGでの議論の結果に従った。特定の地域を意図的に割引対象外にしたわけではない。(東京電力)
- 近接性評価割引について、割引の単価がkWhであることを考慮すれば、kWh価値を用いるのは不適当ではないか。
- 電力会社が発電事業者に一定水準以上の力率を求める一方で、託送料金に力率の割引が設定されていない。小売料金には力率割引が設定されているので、納得感が薄い。
- →低圧についても力率の割引を導入することは、事務コストが高い。(東京電力)
- 東京電力の連系技術要件について、新電力にとってはコスト増につながる。大型火力は当然具備されているものであれば、新規参入事業者にこれを具備するインセンティブを与えるべきではないか。
- →標準的なスペックであれば、追加コストは軽微だと認識している。(東京電力)
- 発電、送配電の設備区分について、共用設備を整理している会社とそうでない会社がいるのはなぜか。
- →当社も、資料中は明示しなかったが、共用部分の評価は行っている。(東北電力)
- 近接性評価について、関西電力の資料の中で、「逆潮流している場合は対象外」との記載があるが、潮流は生き物で、時々刻々変化する。潮流が一定ではない地域はどのように評価しているのか。
- →ご指摘の通り、潮流は変化しやすいものだが、対象地域の選定にあたっては、年間を通じてほとんど逆潮流が生じていない地域を選んだ。(東北電力)
- 九州電力の五島列島について、海底ケーブルで本島と連系しているにもかかわらず、島内の発電所分を託送料金に計上する必要があるのか。
- →海底ケーブルで事故が起こった場合、発電所がないと復旧に大変な時間を要する。(九州電力)
- →伊勢湾沖の神島については、海底ケーブルで連系しているが、ブラックスタート用の電源として、内燃機を残している。(中部電力)
- →当社管内では、島同士をケーブルでつないでいる例がある。そこでは、ケーブルを2ルート化しているため、発電所はつぶした。(東京電力)
- →当社管内でケーブルでつないでいる島については、発電所はない。(北海道電力)
- 近接性評価に関する東京電力の説明は納得できない。主張の根拠となっている制度設計WGの議論はかちっとしたものではなく、解釈の余地を残したもの。逆潮流が生じているからと言って、潮流改善効果がないとは言い切れないのではないか。
以上
関連リンク
お問合せ先
電力・ガス取引監視等委員会事務局 ネットワーク事業監視課
最終更新日:2016年4月1日